公衆衛生学の要点とひっかけ(調理師試験 論点テキスト)
調理師試験の「公衆衛生学」にあたる15論点を、要点120本・ひっかけ68本にまとめました。
最終更新:2026年10月10日
このページの論点
- 公衆衛生の基礎
- 衛生統計
- 疾病予防と健康づくり
- 母子・学校・労働の保健
- 環境衛生
- 調理師法
健康の定義と公衆衛生の目的
WHO憲章の健康の定義、公衆衛生の目的、WHOの設立年と関連する国際的な考え方が問われる。
要点
- WHO憲章は、健康を身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態と定め、疾病や病弱がないことだけでは足りないとする。
- 公衆衛生は、組織化された地域社会の努力で疾病を予防し、生命を延長し、健康と能率を増進させることを目的とする。
- WHOは1948年4月7日に設立された国連の専門機関で、この日は現在、世界保健デーとされている。
- ヘルスプロモーションは、WHOがオタワ憲章で提唱した、人々が自らの健康をコントロールし改善できるようにする過程である。
- プライマリヘルスケアは、WHOが1978年のアルマ・アタ宣言で提唱した、住民に身近な基本的保健医療活動である。
- 長与専斎は、明治8年(1875年)に内務省へ衛生局が置かれた際の初代局長である。
- 志賀潔は赤痢菌、北里柴三郎は破傷風菌の純粋培養と血清療法、コッホは結核菌とコレラ菌の発見で知られる。
ひっかけ
- 健康は単に病気がない状態ではなく、無病を健康とみなす見方や、精神面・社会面を除く見方は誤りである。
- SDGsは国際連合が2015年に採択した2030年までの国際目標で、保健分野に限られず、WHOが単独で採択したものでもない。
- 公衆衛生は個人の治療や社会復帰の支援を目的とするものではなく、地域社会を対象に組織的に取り組む活動である。
- 種痘法を開発したのはジェンナーで、パスツールではない。パスツールは狂犬病ワクチンの開発や低温殺菌法で知られる。
衛生行政と保健所の役割
国と自治体の衛生行政の分担、保健所と市町村保健センターの役割の違いが問われる。
要点
- 保健所は、都道府県のほか、政令指定都市・中核市・特別区等が設置する機関で、専門的・広域的な業務を担う。
- 飲食店営業の許可や食中毒の調査といった食品衛生行政は、保健所が担う代表的な業務である。
- 市町村保健センターは、住民に身近な健康相談・保健指導・健康診査等を実施する。
- 保健所は広域的・専門的サービスを、市町村保健センターは身近な対人サービスを中心に担い、役割を分けている。
- 保健所長は、地域保健法施行令により、原則として医師をもって充てるとされている。
- 公衆衛生行政の中心的な国の主管官庁は厚生労働省で、環境保健行政は環境省が所管する。
ひっかけ
- 母子健康手帳の交付や乳幼児健康診査は、保健所ではなく市町村(市町村保健センター)が担う住民に身近なサービスである。
- 保健所と市町村保健センターは、地域保健法を共通の根拠とする別の機関で、上下関係にあるわけではない。
- 医師をもって充てる原則が課されるのは保健所長であり、市町村保健センターには同様の配置義務はない。
- 福祉事務所は生活保護、児童相談所は児童福祉、社会福祉協議会は地域福祉を担い、公衆衛生の第一線機関である保健所とは別である。
人口動態統計と衛生統計の指標
平均寿命・健康寿命・死因順位・合計特殊出生率など、人口動態統計と衛生統計の主な指標と用語が問われる。
要点
- 令和6年簡易生命表の平均寿命は、男性が81.09年、女性が87.13年で、女性が男性より約6年長い。
- 令和5年の死因は、第1位が悪性新生物、第2位が心疾患、第3位が老衰の順である。
- 令和6年の合計特殊出生率は1.15で過去最低を更新し、出生数も統計開始以来初めて70万人を下回った。
- 健康寿命は、健康上の問題で日常生活が制限されずに生活できる期間をいい、平均寿命より短い。
- 人口動態統計は、出生・死亡・婚姻・離婚・死産の5つの事象を、市区町村への届出をもとに集計する。
- 高齢化率が7%超で高齢化社会、14%超で高齢社会、21%超で超高齢社会と呼ばれる。
- 人口の増減のうち、出生・死亡によるものを自然動態、転入・転出によるものを社会動態という。
- 有訴者率は、病気やけがなどの自覚症状を訴える者の割合を示し、国民生活基礎調査で把握される。
- 学校保健統計調査は、統計法に基づく基幹統計調査で、昭和23年度から毎年、満5歳から17歳までを対象に、学校保健安全法による健康診断の結果をもとに実施される。
- 令和7年度の学校保健統計では、裸眼視力1.0未満の者の割合は学校段階が進むほど高く、むし歯の者の割合はすべての学校種で過去最小であった。
ひっかけ
- 合計特殊出生率は、年齢別出生率を合計した1人の女性が生涯に産む子どもの数の推計値で、出生数そのものではない。
- 健康寿命が平均寿命より長いということはなく、両者の差が日常生活に制限のある期間にあたる。
- 国民健康・栄養調査は、健康診断の受診者ではなく、無作為に抽出された世帯とその世帯員を対象とする。
- 転入・転出は住民基本台帳で把握する社会動態であり、人口動態統計の5つの事象には含まれない。
- 学校保健統計調査は全数調査ではなく、対象者の一部を抽出して行う抽出調査である。
- 身長・体重の平均値は、平成10年度前後まで上昇した後は横ばい傾向で、年々大きく上昇し続けてはいない。
感染症法の類型と届出
感染症法の一類から五類の分類と代表疾患、就業制限・医師の届出・検疫の仕組みが問われる。
要点
- エボラ出血熱は、感染力・重篤性が極めて高い一類感染症に分類される。
- 結核は二類感染症で、同じ二類にはジフテリア、SARS、鳥インフルエンザ(H5N1・H7N9)がある。
- 三類感染症は、主に飲食物を介して集団感染を起こしうるもので、コレラ・細菌性赤痢・腸チフス・パラチフス・腸管出血性大腸菌感染症が含まれる。
- 四類感染症は、狂犬病、日本脳炎、E型肝炎など、動物や媒介昆虫、飲食物等を介して感染する感染症が中心である。
- 麻しんは、感染力は強いが発生動向調査の対象として把握される五類感染症に分類される。
- 新型コロナウイルス感染症は、令和5年5月8日から感染症法上の五類感染症に位置付けが変更された。
- 医師は、一定の感染症を診断した場合、保健所長を経て都道府県知事に届け出る義務があり、感染症発生動向調査につながる。
- 検疫所は空港・港湾に設置され、検疫法に基づき海外からの感染症の国内侵入を防ぐ水際対策を行う。
ひっかけ
- 腸管出血性大腸菌感染症は四類ではなく三類感染症であり、E型肝炎は四類、季節性インフルエンザは五類である。
- 四類感染症も一〜三類と同じ全数把握の対象で、定点把握は五類感染症の一部だけに適用される。
- 就業制限を行う権限は市町村長でなく都道府県知事にあり、対象は一類・二類・三類感染症等の患者で五類は含まれない。
- 新型コロナウイルス感染症は二類相当の措置が続いているわけではなく、五類として季節性インフルエンザ等と同様の対応となった。
予防接種と感染症の予防対策
予防接種法の定期接種と任意接種の違い、代表的なワクチン、感染症対策の考え方と救済制度が問われる。
要点
- 定期接種は予防接種法に基づき市町村が実施主体となり、対象疾病や接種年齢等が政令等で定められている。
- 定期接種は市町村が実施して公費負担があり、任意接種は希望者が主に自己負担で受ける。
- BCGワクチンは結核の予防を目的とする生ワクチンで、乳児期に定期接種として実施される。
- MRワクチンは麻しん・風しんを予防する生ワクチンで、1歳児期と小学校就学前1年間の計2回接種される。
- 感染症対策は感染源対策・感染経路対策・感受性者対策の3本柱で、予防接種は感受性者対策にあたる。
- 調理従事者の検便は、健康保菌者を見つけるうえで有効な感染源対策である。
- 定期接種は、集団予防に重点を置くA類疾病と、個人予防に重点を置くB類疾病に分けられる。
- 定期接種・臨時接種(定期の予防接種等)を受けた者に健康被害が生じた場合には、予防接種法の予防接種健康被害救済制度で医療費等が給付される。
- 感染症は、感染源(病原体)、感染経路、感受性のある宿主の三つの要因がそろって成り立ち、一つを断てば防げる。
- 保菌者の発見と除外は感染源対策、上下水道の整備や媒介動物の駆除は感染経路対策にあたる。
ひっかけ
- 定期接種は強制接種ではなく、A類疾病は受けるよう努める努力義務、B類疾病は努力義務もなく本人の判断に委ねられる。
- B類疾病の定期接種は個人予防に重点があり、A類のような接種を受ける努力義務は課されていない。
- 任意接種による健康被害にも、医薬品副作用被害救済制度による救済の仕組みがあり、公的な救済が一切ないわけではない。
- 細菌性赤痢や食中毒に対する定期の予防接種は行われておらず、積極的に勧奨されるわけではない。
- 食事や睡眠で抵抗力を保つ対策は、感染源対策ではなく、宿主の感染しやすさを下げる感受性対策である。
- 三つの対策は互いに補い合うもので、感染源対策だけで他の二つが不要になることはない。
生活習慣病と健診・がん検診
メタボリックシンドロームの診断、特定健診・特定保健指導、予防の3段階、がん検診など生活習慣病対策が問われる。
要点
- メタボリックシンドロームは、腹囲(内臓脂肪)が必須で、血圧・血糖・脂質のうち2つ以上が基準を超えると該当する。
- 特定健診・特定保健指導の対象は40〜74歳で、18〜39歳は対象外である。
- 特定健康診査・特定保健指導は、高齢者医療確保法に基づき、医療保険者に実施が義務付けられている。
- 一次予防は、生活習慣の改善等により疾病の発症そのものを未然に防ぐことをいう。
- 早期発見は二次予防、治療やリハビリテーションは三次予防に区分される。
- がん検診は、がんの早期発見・早期治療を目的とする二次予防の代表例である。
- 悪性新生物・心疾患・脳血管疾患には、喫煙・食塩の過剰摂取・運動不足・過度の飲酒等の生活習慣が共通の危険因子として関与する。
- 高血圧の予防・改善には、食塩摂取量を減らすことが推奨される。
ひっかけ
- 費用対効果が最も高いのは三次予防ではなく、発症そのものを防ぐ一次予防である。
- 生活習慣病に関連する死因は死亡総数のおよそ半数を占めており、1割程度にとどまるわけではない。
- 乳がん検診は、20歳以上・毎年1回ではなく、国の指針で40歳以上を対象に2年に1回行うとされている。
- カリウムはナトリウムの排泄を促すため、高血圧では控えるのでなく適切に摂取することが推奨される。
健康日本21と喫煙・飲酒対策
健康日本21(第三次)の期間・根拠法・ビジョンと、受動喫煙防止、飲酒、未成年者の喫煙・飲酒対策が問われる。
要点
- 健康日本21(第三次)は、令和6年度から令和17年度までの12年間を計画期間とする。
- 健康日本21の法的根拠は健康増進法で、国民の健康の増進を総合的に推進する運動である。
- 健康日本21(第三次)は、全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現をビジョンとし、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指す。
- 健康日本21(第三次)では、誰一人取り残さない健康づくりと、より実効性をもつ取組の推進が新たなキーワードとなっている。
- 生活習慣病のリスクを高める1日の純アルコール摂取量の目安は、男性40g以上、女性20g以上である。
- 改正健康増進法により、多数の者が利用する施設は原則屋内禁煙となり、喫煙は所定の喫煙室等に限られる。
- 喫煙専用室を設ける場合は、20歳未満の者を立ち入らせてはならない。
- アルコール健康障害対策基本法は、アルコール健康障害の発生・進行・再発の防止を図り、あわせてアルコール健康障害を有する者等に対する支援の充実を図ることを目的とする。
ひっかけ
- 加熱式たばこも健康増進法の規制対象であり、健康影響がないから規制の対象外とされるわけではない。
- 飲食店は原則屋内禁煙であり、喫煙が可能なのは、経過措置として一定の要件を満たす既存の小規模店に限られる。
- 成年年齢が18歳に引き下げられた後も、飲酒・喫煙は20歳未満禁止のまま維持されている。
- 1回で60g以上の一時多量飲酒は避けるべき飲み方であり、日常の生活習慣病リスクの目安である男性40g・女性20gとは別の数値である。
母子保健の制度と施策
母子健康手帳、乳幼児健診、新生児マススクリーニング、産後ケア事業など母子保健の制度と実施主体が問われる。
要点
- 母子健康手帳は、母子保健法に基づき、妊娠の届出をした者に対し市町村が交付する。
- 母子保健法では、市町村に1歳6か月児健診及び3歳児健診の実施が義務付けられている。
- 新生児マススクリーニングは、生後4〜6日にかかとから採った血液(ろ紙血)で行う。
- 新生児マススクリーニングは、先天性代謝異常症や内分泌疾患を早期に発見し、早期治療につなげる検査である。
- 体重2,500g未満の低体重児が生まれたときは、保護者が市町村に届け出る。
- 産後ケア事業は、出産後の母子に対し心身のケアや育児支援を行い、産後うつの予防にも資する取組である。
- 健やか親子21(第2次)は、母子保健分野における国民運動計画で、健康日本21等と連動して推進される。
- 母子保健は、妊産婦と乳幼児を対象とし、妊娠した者は市町村に妊娠の届出を行う。
ひっかけ
- 産後ケア事業を実施するのは都道府県ではなく、母子保健法に基づく市町村である。
- 新生児マススクリーニングは、生後1か月健診の尿ではなく、新生児のかかとから採る血液を用いる。
- 6か月児健診や5歳児健診は市町村の任意事業であり、母子保健法上の実施義務があるのは1歳6か月児健診と3歳児健診である。
- 母子健康手帳を交付するのは身近な市町村で、都道府県知事が個別に手渡す仕組みではない。
学校保健・食育・福祉制度の概要
学校保健安全法・学校給食法・食育基本法、介護保険制度、精神保健など、学校と福祉に関する制度と担い手が問われる。
要点
- 学校は、児童生徒等の健康診断や環境衛生検査等について、学校保健計画を策定し実施しなければならない。
- 感染症にかかっている児童生徒等の出席停止は校長が、臨時休業は学校の設置者が行う。
- 文部科学大臣は、学校給食の栄養内容の基準として学校給食実施基準を定めている。
- 介護保険制度を運営する保険者は、都道府県ではなく、市町村および特別区である。
- 介護保険の第1号被保険者は65歳以上の者、第2号被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
- 食育基本法では、食育推進基本計画が作成され、食品関連事業者等も自主的かつ積極的に食育の推進に努めるものとされている。
- 栄養教諭は、児童生徒への食に関する指導と学校給食の管理を一体的に担う教育職員である。
- 自傷他害のおそれがある精神障害者に対する措置入院は、都道府県知事が決定する。
- 要介護状態区分は要支援1・2と要介護1〜5の7つで、要支援1が最も軽く、要介護5が最も重い。
- 介護給付は要介護認定(要介護1〜5)を、予防給付は要支援認定(要支援1・2)を受けた被保険者が対象である。
ひっかけ
- 学校医は、都道府県知事が直接任命するのではなく、学校の設置者が委嘱・任命する。
- 学校給食の経費は、施設設備費や人件費を設置者が負担し、主に食材費は保護者が負担する。
- 要介護認定は、都道府県知事ではなく、市町村が介護認定審査会の審査判定にもとづいて行う。
- 学校給食の実施は法律上の義務ではなく、設置者の努力義務である。
- 40歳以上65歳未満の第2号被保険者は、原因を問わず要介護認定を受けられるのではなく、加齢に伴う特定疾病が原因のときに限られる。
- 要介護認定には有効期間があり、期間満了後も要介護状態が見込まれるときは更新の申請をする。
労働安全衛生と職業性疾病
労働安全衛生法の目的、50人以上の事業場の義務、労働衛生の3管理、調理業務に多い職業性疾病が問われる。
要点
- 労働安全衛生法は、職場における労働者の安全と健康の確保、及び快適な職場環境の形成の促進を目的とする。
- 包丁作業など同一動作の反復や不良姿勢の持続により、腱鞘炎を含む頸肩腕症候群が調理業務で生じやすい。
- 労働者の健康管理や作業環境の改善を担う産業医は、一定規模以上の事業場に選任が義務付けられている。
- 常時50人以上の労働者を使用する事業場には、心理的な負担の程度を把握するストレスチェックの実施が義務付けられている。
- 労働衛生の3管理は、作業環境管理・作業管理・健康管理で、総括管理と教育を足して5管理と呼ぶこともある。
- 設備で有害要因を取り除くのは作業環境管理、作業のやり方の管理は作業管理、健康診断は健康管理にあたる。
- 一般健康診断(定期健康診断)は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に行うことが事業者に義務付けられている(労働安全衛生規則第44条)。
- 情報機器作業(旧称VDT作業)では、眼精疲労や頸肩腕症候群等の予防のため、連続作業時間の管理や照明・姿勢等の作業環境の整備が求められる。
- 労働安全衛生規則第604条は、作業面の照度を、精密な作業は300ルクス以上、普通の作業は150ルクス以上、粗な作業は70ルクス以上と定めている。
- 常時就業させる場所の照明設備は、6月以内ごとに1回、定期に点検しなければならない(労働安全衛生規則第605条第2項)。
ひっかけ
- 労働基準法の法定労働時間は、1日8時間・1週40時間であり、1週48時間ではない。
- 減圧症は高気圧下から常圧に戻る際に起こるもので、潜水作業などで生じ、真空包装機の使用による調理現場の疾病ではない。
- 局所排気装置や換気設備で有害要因を取り除く対策は、健康管理ではなく作業環境管理にあたる。
- 年少者であっても変形労働時間制は原則として制限されるため、成人と全く同じ条件で適用することはできない。
- 感光材料を取り扱う作業場や坑内の作業場などには、作業面の照度の基準は適用されない。
- グレアはまぶしさのことで、光が足りず暗くなることではない。
水道水と水質基準
水道水の水質基準、給水栓の遊離残留塩素、塩素消毒の理由、井戸水や貯水槽の管理が問われる。
要点
- 水道水の水質基準は、水道法に基づく省令で全国統一的に約50項目が定められている。
- 給水栓(蛇口)の水は、水質基準で大腸菌が検出されないことと定められている。
- 給水栓の遊離残留塩素は0.1mg/L以上を保持することが求められ、これは上限でなく下限である。
- 結合残留塩素の場合は、給水栓で0.4mg/L以上が求められる。
- 塩素消毒は、給水過程での残留効果により再汚染をある程度防止できるため、広く用いられる。
- 水道水以外の井戸水等を使用する場合は、水系感染症等のリスクがあるため定期的な水質検査を行い、飲用に適することを確認する。
- 受水槽・貯水槽は定期的に点検・清掃を行い、鳥獣の侵入や汚水の混入等による汚染を防止する。
ひっかけ
- 遊離残留塩素の0.1mg/Lは上限ではなく下限であり、これを超えてはならないという基準ではない。
- 大腸菌だけでなく一般細菌にも基準があり、一般細菌は検出されてもよいわけではない。
- 給水栓の水には消毒効果を保つため一定の遊離残留塩素が必要であり、残留塩素があってはならないという定めはない。
- 受水槽は鳥獣や汚水の侵入を防ぐために密閉するのが基本であり、密閉しない方がよいわけではない。
廃棄物・下水・公害対策
一般廃棄物と産業廃棄物の処理責任、下水道・浄化槽の役割、富栄養化、典型七公害が問われる。
要点
- 一般廃棄物(家庭系ごみ等)の処理責任は、排出者や都道府県ではなく市町村にある。
- 産業廃棄物の処理責任は、市町村ではなく排出した事業者にある。
- 産業廃棄物は、事業活動に伴い生じる廃棄物のうち、法令で定める燃え殻・汚泥等の種類に該当するものをいう。
- 下水道は、生活排水や雨水を排除・処理して、公衆衛生の向上と公共用水域の水質保全を図る社会基盤である。
- 浄化槽は、下水道が整備されていない地域で、生活排水を微生物の働きなどにより浄化処理し、公共用水域に放流する設備である。
- 湖沼等の富栄養化によりアオコ・赤潮等の藻類が異常増殖すると、水道水源の異臭味の原因となることがある。
- 典型七公害は、大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・振動・地盤沈下・悪臭の7種類である。
- ハエやゴキブリは、赤痢や腸チフスなどの消化器系感染症を媒介することがある。
ひっかけ
- わが国の下水道処理人口普及率は100%には達しておらず、地域差も大きい。
- 食中毒は公害ではなく食品衛生上の健康被害であり、典型七公害には含まれない。
- 飲食店から出る厨芥類は事業系一般廃棄物として扱われ、市町村による収集運搬の対象から外れるわけではない。
- 浄化槽は汚水を処理する施設であり、水道水を各家庭に配るまでの間に貯留しておく施設ではない。
室内環境と大気汚染
シックハウス症候群、一酸化炭素中毒、ビル管理法の空気環境、光化学スモッグなど室内環境と大気汚染が問われる。
要点
- シックハウス症候群は、建材・内装材・家具等から放散されるホルムアルデヒドなどの化学物質による室内空気汚染が主な原因の一つとされる。
- ホルムアルデヒドは目・鼻・喉への刺激作用がある化学物質で、厚生労働省が室内濃度指針値を定めている。
- 一酸化炭素は無色無臭の気体で、ヘモグロビンとの結合力が酸素の約200倍以上とされ、不完全燃焼の燃焼器具で中毒が起こりやすい。
- 建築基準法は、シックハウス対策として、ホルムアルデヒドを発散する建材の使用制限や換気設備の設置義務などを定めている。
- ビル管理法では、特定建築物の空気環境について、二酸化炭素濃度・温度・湿度・浮遊粉じん量等の管理基準が定められている。
- 光化学スモッグは、窒素酸化物や炭化水素が紫外線を受けて光化学反応を起こし、光化学オキシダントが生成されて発生する。
- 調理室で燃焼器具を使用する際は、不完全燃焼を防ぐために十分な換気が必要である。
ひっかけ
- 一酸化炭素は刺激臭のない無色・無臭の気体で、においで発生に気付けないために中毒事故を招きやすい。
- 二酸化炭素は室内空気汚染の指標だが、高濃度では頭痛・めまいなどを生じ、人体影響がないとはいえない。
- ホルムアルデヒドは天然の食品成分で無害な物質ではなく、刺激作用や発がん性が指摘される化学物質である。
- 一酸化炭素は水に溶けにくい気体であり、水によく溶けるわけではない。
調理師法の目的と免許制度
調理師法の目的、免許の取得要件と免許権者、欠格事由と免許の取消しなど、調理師免許の制度が問われる。
要点
- 調理師法の目的は、調理技術の合理的な発達と国民の食生活の向上である。
- 調理師の免許は、調理師法第3条に基づき都道府県知事が与える。
- 調理師免許は、養成施設で1年以上学ぶか、実務2年以上を経て調理師試験に合格することで取得できる。
- 調理師免許に更新制度はなく、一度取得すれば取り消されない限り生涯有効である。
- 調理師免許は、都道府県知事が与え、調理師名簿に登録することで効力を生じる。
- 免許取消しの日から起算して1年を経過しない者には、絶対的欠格事由により免許が与えられない。
- 都道府県知事は、調理師が自らの責任で食中毒など衛生上重大な事故を起こしたとき、その免許を取り消すことができる。
- 指定養成施設を卒業した者は、調理師試験を受けることなく、都道府県知事に申請して免許を取得できる。
ひっかけ
- 調理師試験を実施するのは厚生労働大臣ではなく、免許を与える都道府県知事である。
- 2年ごとに行うのは就業調理師の状況把握のための届出であり、免許そのものの更新手続ではない。
- 性別や勤務経験の有無は欠格事由ではなく、薬物の中毒者や罰金以上の刑に処せられた者などが相対的欠格事由に当たり得る。
- 調理師法には業務停止のような中間的な処分の規定はなく、知事の処分は免許の取消しに限られる。
就業届出・名称独占と罰則
就業調理師の届出の頻度・届出先、調理師の名称独占と違反時の罰則が問われる。
要点
- 就業調理師の届出は、2年ごとの12月31日現在の状況を、翌年1月15日までに行う。
- 現に多数人に飲食物を調理して供与する施設で調理の業務に従事している調理師は、就業状況を届け出る義務を負う。
- 就業届出の届出事項には、氏名、住所その他厚生労働省令で定める事項が含まれる。
- 調理師でなければ、調理師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならないという名称独占が、調理師法第8条に定められている。
- 調理師の名称を無断で使用した場合は、30万円以下の罰金の対象となる。
ひっかけ
- 調理師は名称独占資格で、無資格者が調理業務自体を行うことは禁止されておらず、業務独占資格ではない。
- 就業届出を怠っても、そのことを理由に調理師免許の効力が停止される規定はない。
- 就業届出は毎年でも厚生労働大臣あてでもなく、2年ごとに就業地の都道府県知事へ行う。
- 名称使用制限の違反は行政指導で終わらず、罰金等の刑事罰の対象となり得る。
ほかの科目
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出典と作り方
この読み物は、アプリ「チョーリトール」の収録問題の解説をもとに、アプリ製薬が論点ごとに整理して作成したものです。公式の文章の転載ではありません。 問題文・選択肢は載せていません。収録問題は過去問ではなく、法令等の一次資料をもとに作成したオリジナル問題です。