栄養学の要点とひっかけ(調理師試験 論点テキスト)
調理師試験の「栄養学」にあたる13論点を、要点101本・ひっかけ52本にまとめました。
最終更新:2026年10月10日
このページの論点
- 栄養素の基礎
- エネルギー代謝と消化吸収
- ビタミンとミネラル
- 食事摂取基準
- ライフステージと病態
栄養素の分類と食事バランスガイド
栄養素を働きで分ける三分類、五大栄養素の範囲、食事バランスガイドの内容、水と人体の構成が問われる論点である。
要点
- 調整素はビタミンと無機質(ミネラル)であり、エネルギー源となる脂質は含まれない。
- 五大栄養素は炭水化物・脂質・たんぱく質・無機質・ビタミンであり、水は生命維持に不可欠でも栄養素には数えない。
- 糖質とたんぱく質は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalのエネルギーを産生する。
- 食事バランスガイドは、主食・副菜・主菜・牛乳乳製品・果物の区分で、1日に食べる望ましい量をコマの形で示す。
- 食事バランスガイドは厚生労働省と農林水産省が共同で策定し、料理の単位(つ・SV)で量を示している。
- 水分は成人の体重の約60%を占め、水分の次に多い人体の構成成分はたんぱく質で、約15〜20%を占める。
- 体内の水分の約10%を失うと健康障害が起こり、約20%を失うと生命に危険が及ぶ。
ひっかけ
- 調整素に脂質は入らない。脂質は熱量素であり、細胞膜の構成成分として構成素にも数えられる。
- ビタミンとミネラルはそれ自体エネルギーを産生せず、体の機能調整に働く栄養素である。
- 食事バランスガイドは栄養素ごとの摂取量ではなく、料理の単位で食事の量を示すものである。
- 水は成人の体重の約60%を占めるが、エネルギーを産生せず五大栄養素にも含まれない。
炭水化物の分類と代謝
炭水化物の分類(糖質と食物繊維)、単糖・二糖・多糖、血糖値の調節、グリコーゲンと糖新生が問われる論点である。
要点
- 炭水化物は消化酵素で単糖類(ぶどう糖・果糖・ガラクトース)まで分解され、小腸から吸収される。
- 炭水化物は、消化されてエネルギー源となる糖質と、消化されにくい食物繊維に大別される。
- ショ糖はブドウ糖と果糖が結合した二糖類であり、でんぷんやグリコーゲンは多数のブドウ糖が結合した多糖類である。
- インスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌され、血糖値を低下させる唯一のホルモンである。
- 余った糖質は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして一時的に貯蔵され、さらに余ると中性脂肪に変わって脂肪組織に蓄積される。
- 糖新生は糖質が不足したとき、主に肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロールなどからブドウ糖をつくる働きである。
- 水溶性食物繊維は血糖上昇やコレステロール吸収を抑え、不溶性食物繊維は排便を促す。
- 糖質がエネルギーとして利用される過程にはビタミンB1が必要で、炭水化物は1gあたり約4kcalを供給する。
ひっかけ
- 二糖類のままでは吸収されない。吸収されるのは単糖類にまで分解されたあとである。
- 食物繊維はアミノ酸を含まない多糖類などであり、たんぱく質の一種でも必須アミノ酸を含むものでもない。
- 食物繊維はヒトの消化酵素で分解されず、1gあたり9kcalを産生するエネルギー源ではない。
- グルカゴン・アドレナリン・成長ホルモンは、血糖値を下げるのではなく上昇させる方向に働く。
脂質と必須脂肪酸
脂質の性質と働き、単純脂質・複合脂質の分類、必須脂肪酸、コレステロール、飽和・不飽和脂肪酸が問われる論点である。
要点
- 必須脂肪酸はリノール酸(n-6系)とα-リノレン酸(n-3系)で、体内で合成できないため食事から摂る。
- 脂質は水に溶けず有機溶媒に溶ける物質の総称で、1gあたり約9kcalと三大栄養素の中で最も高い。
- 脂質は胃内の停滞時間が長いため腹持ちがよく、脂溶性ビタミンの吸収を助ける。
- 中性脂肪(トリグリセリド)はグリセリンと脂肪酸のみからなる単純脂質で、食用油の主成分である。
- コレステロールは主に肝臓で体内合成され、細胞膜・胆汁酸・ステロイドホルモンの材料となる。
- 不飽和脂肪酸は炭素間に二重結合を持ち、植物油や魚油に多く含まれて常温で液体である。
- 脂質は脂溶性ビタミンA・D・E・Kの吸収を助け、体温を保持して臓器を衝撃から保護する。
- 脂質が極端に不足すると、脂溶性ビタミンの吸収低下や必須脂肪酸の欠乏による皮膚障害などを招く。
ひっかけ
- 脂質は1gあたり約9kcalであり、約4kcalという値は脂質ではなく糖質とたんぱく質のものである。
- 脂質は脂溶性ビタミンの吸収を妨げるのではなく、助ける働きをもつ。
- リン脂質・糖脂質は複合脂質、コレステロールは誘導脂質であり、単純脂質には当たらない。
- コレステロールは糖質ではなく脂質の誘導脂質に分類され、血液中ではリポたんぱく質の形で運ばれる。
たんぱく質とアミノ酸の栄養
必須アミノ酸の種類数、窒素出納、アミノ酸価と制限アミノ酸、動物性と植物性の違い、たんぱく質の働きが問われる論点である。
要点
- 成人の必須アミノ酸は、バリン・ロイシン・イソロイシン・トレオニン・メチオニン・リジン・フェニルアラニン・トリプトファン・ヒスチジンの9種類である。
- 必須アミノ酸とは、体内で十分に合成できないため、食事から摂取する必要があるアミノ酸をいう。
- 摂取窒素量と排泄窒素量が等しい状態を窒素平衡といい、成長期や妊娠期は摂取が上回る正の窒素出納となる。
- 食品たんぱく質の栄養価は、必須アミノ酸の含量を基準パターンと比べるアミノ酸価(アミノ酸スコア)で評価する。
- 精白米など穀類のたんぱく質は、リジンが少なく第一制限アミノ酸となるため、動物性食品や大豆製品と組み合わせて補う。
- 動物性たんぱく質は必須アミノ酸をバランスよく含みアミノ酸価が高く、大豆は植物性でも例外的に高い。
- たんぱく質は体の組織を構成するほか、酵素・ホルモン・抗体の材料としても機能する。
- たんぱく質が長期にわたり著しく不足すると、筋肉量の減少、免疫力の低下、浮腫を招き、小児では成長障害も生じる。
ひっかけ
- たんぱく質は1gあたり約4kcalのエネルギーを供給し、約9kcalなのは脂質である。
- 穀類のたんぱく質はリジンが豊富なのではなく、むしろ少なく第一制限アミノ酸となるため、アミノ酸価は動物性より低い。
- 必須アミノ酸は3種類だけではなく、成人ではおよそ9種類が知られている。
- カルシウムの主要な貯蔵部位は骨であり、たんぱく質がカルシウムの貯蔵臓器として働くわけではない。
エネルギー代謝とアトウォーター係数
アトウォーター係数、エネルギー量の計算、アルコールの熱量、基礎代謝・食事誘発性熱産生・呼吸商が問われる論点である。
要点
- アトウォーター係数は糖質4kcal/g、脂質9kcal/g、たんぱく質4kcal/gで、いわゆる4-9-4である。
- 糖質40g、脂質10g、たんぱく質5gを含む食品は、160kcal、90kcal、20kcalの合計で270kcalになる。
- アルコールは1gあたり約7kcalのエネルギーを産生するが、必須の栄養素ではない。
- 基礎代謝量は、覚醒・安静状態で生命維持に必要な最小限のエネルギー消費量である。
- 推定エネルギー必要量は、基礎代謝量に身体活動レベルを乗じることなどにより算出される。
- 食事誘発性熱産生は、食後に栄養素の消化・吸収・代謝に伴って熱産生が高まる現象で、たんぱく質で割合が高い。
- 基礎代謝量は体格・性別・年齢・季節などの影響を受け、一般に筋肉量が多いほど高い。
- 呼吸商は排出した二酸化炭素量を消費した酸素量で割った値で、糖質は約1.0、脂質は約0.7を示す。
ひっかけ
- 甲状腺機能亢進症では基礎代謝が低下するのではなく上昇し、低下するのは甲状腺機能低下症である。
- アルコールは4kcalでも9kcalでもなく、糖質4と脂質9の間にあたる約7kcalである。
- 9kcalとなるのは脂質だけで、たんぱく質を9kcalとするのは誤りである。
- 食事誘発性熱産生は食後に高まる代謝であり、安静時の最小限の消費量である基礎代謝量とは別の指標である。
消化酵素と消化吸収の仕組み
各消化液と消化酵素の働き、栄養素が吸収される最終形、小腸と大腸の役割、脂質の吸収経路が問われる論点である。
要点
- だ液に含まれるアミラーゼ(プチアリン)は、でんぷんを麦芽糖へ分解する糖質分解酵素である。
- ペプシンは前駆体のペプシノーゲンが胃酸(塩酸)で活性化されて生じ、酸性環境でたんぱく質をペプトンなどに分解する。
- 膵液にはトリプシン・膵アミラーゼ・膵リパーゼが含まれ、アルカリ性で胃酸を中和する働きも持つ。
- 糖質は単糖、脂質は脂肪酸とモノグリセリド、たんぱく質はアミノ酸にまで分解されて小腸から吸収される。
- 胆汁は肝臓で生成され胆のうで濃縮されたのち十二指腸に分泌され、胆汁酸で脂質を乳化する。
- 小腸ではマルターゼが麦芽糖を、ラクターゼが乳糖を、スクラーゼがショ糖を分解し、最終的に単糖にまで消化される。
- 栄養素の消化と吸収の大部分は小腸で行われ、内壁のひだと絨毛が表面積を大きくして効率的な吸収を可能にしている。
- 大腸は主に水分と電解質を吸収し、内容物を濃縮して糞便を形成する。
ひっかけ
- 脂質のうち長鎖脂肪酸は門脈ではなくカイロミクロンとしてリンパ管を経由し、中鎖脂肪酸だけが例外的に門脈に入る。
- マルターゼは糖質の消化酵素であり、たんぱく質を分解する酵素ではない。たんぱく質に働くのはペプシンやトリプシンである。
- 胆汁は消化酵素を含まず、リパーゼは主に膵液に含まれる。胆汁は脂質を乳化してリパーゼの働きを助ける。
- でんぷんを分解するアミラーゼは胃液ではなく、だ液や膵液に含まれる酵素である。
脂溶性ビタミンの働きと欠乏症
脂溶性ビタミンA・D・E・Kの働きと欠乏症、ビタミンDの食事摂取基準、脂溶性ビタミンの過剰摂取が問われる論点である。
要点
- 脂溶性ビタミンはA・D・E・Kの4種類で、油に溶けやすく体内(主に肝臓)に蓄積されやすい。
- ビタミンAは網膜の視物質ロドプシンの構成成分で、欠乏すると暗所での視力低下(夜盲症)を招く。
- ビタミンDは腸管でのカルシウム・リンの吸収を促進し、欠乏すると小児ではくる病、成人では骨軟化症を招く。
- ビタミンDは食事から摂るだけでなく、皮膚が紫外線を浴びることでも体内で合成される脂溶性ビタミンである。
- 2025年版では成人のビタミンD目安量が2020年版の8.5μg/日から9.0μg/日に引き上げられ、指標は引き続き目安量である。
- ビタミンKは血液凝固に関わるプロトロンビンなどの生成に必要で、腸内細菌によっても一部合成される。
- ビタミンE(トコフェロール)は強い抗酸化作用をもち、細胞膜の不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ。
- 脂溶性ビタミンの欠乏症は、Aが夜盲症、Dがくる病、Eが溶血性貧血、Kが出血傾向である。
ひっかけ
- 脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすく、サプリメント等の多量摂取で過剰症を生じる。水溶性のように尿へすみやかに排泄されるわけではない。
- 抗酸化作用を主な働きとするのはビタミンEであり、壊血病はビタミンCの欠乏で生じる。ビタミンKの働きとは取り違えない。
- ビタミンAは妊娠初期の過剰摂取で胎児への影響が指摘されており、耐容上限量が設定されている。
- ビタミンDは骨の健康にかかわる脂溶性ビタミンであり、水溶性に分類し直されたわけでも、基準から削除されたわけでもない。
水溶性ビタミンの働きと欠乏症
水溶性ビタミンの働きと欠乏症(脚気・ペラグラ・壊血病・巨赤芽球性貧血など)、脂溶性との性質の違いが問われる論点である。
要点
- ビタミンB1は糖質代謝の補酵素として働き、欠乏すると脚気やウェルニッケ脳症を生じる。
- ビタミンB2は脂質・糖質代謝に関わる補酵素で、欠乏すると口角炎・口内炎・舌炎、皮膚炎などを生じやすい。
- ナイアシンの欠乏は皮膚炎・下痢・精神神経症状を主徴とするペラグラを起こし、ナイアシンは必須アミノ酸のトリプトファンからも一部合成される。
- ビタミンB6はアミノ酸の代謝(アミノ基転移反応等)に関わる補酵素として働く水溶性ビタミンである。
- ビタミンB12の欠乏は巨赤芽球性貧血(悪性貧血)を生じ、胃から分泌される内因子と結合して小腸で吸収される。
- 葉酸は核酸合成に関わる水溶性ビタミンで、妊娠初期の女性が十分に摂ると胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減が期待される。
- ビタミンCはコラーゲン合成に必須で、欠乏すると血管がもろくなり出血しやすくなる壊血病を生じる。
- 水溶性ビタミンは一般に体内に蓄積されにくく、余剰分は尿中に排泄されやすいため、脂溶性より過剰症は起こりにくい。
ひっかけ
- 生卵白を大量かつ継続的に食べると、アビジンがビオチンと強く結合して吸収を妨げ、ビオチン欠乏を招くおそれがある。
- 壊血病はビタミンCの欠乏で起こる疾患であり、ビタミンCの過剰摂取の影響ではない。
- ビタミンB1・B2・ナイアシンは脂溶性ではなく水溶性であり、体内に蓄積しにくくこまめな摂取が必要である。
- 水溶性ビタミンは加熱調理で効力が増すのではなく、水への溶出や熱による分解で損失しやすい。
ミネラルの働きと欠乏症・過剰症
ナトリウム・カリウム・カルシウム・鉄・亜鉛・ヨウ素など主要ミネラルの働き、欠乏症と過剰症、吸収を左右する要因が問われる論点である。
要点
- ナトリウムの過剰摂取は血圧上昇を招き、高血圧症の主要な危険因子となる。
- カリウムは細胞内液の主要な陽イオンで、ナトリウムの尿中排泄を促進して血圧上昇を抑える方向に働く。
- 体内のカルシウムの約99%は骨や歯に存在し、残りの約1%が神経伝達・筋収縮・血液凝固などの機能調節に関わる。
- 鉄は赤血球のヘモグロビンの構成成分として酸素運搬に関わり、欠乏すると鉄欠乏性貧血を生じる。
- 非ヘム鉄はビタミンCと同時に摂取すると、鉄が吸収されやすい形に還元されて吸収が促進される。
- 亜鉛は多くの酵素の構成成分で、欠乏すると味覚障害・成長障害・皮膚炎・免疫低下などを生じる。
- ヨウ素は甲状腺ホルモンの構成成分で、欠乏すると甲状腺機能低下や甲状腺腫を生じる。海藻類や魚介類に多い。
- 2025年版では、通常の食事での過剰摂取リスクが小さいとの知見から、成人の鉄の耐容上限量の設定が削除された。
ひっかけ
- リンを過剰に摂取するとカルシウムの吸収が妨げられる。リンは加工食品やインスタント食品に多く含まれる。
- くる病はビタミンDやカルシウムの不足による小児の疾患であり、カルシウムの過剰摂取で生じるものではない。
- 吸収率が高いのは非ヘム鉄ではなくヘム鉄であり、ヘム鉄は動物性食品、非ヘム鉄は植物性食品に多い。
- 甲状腺腫の原因はヨウ素の欠乏であり、亜鉛の欠乏で現れるのは味覚障害・皮膚炎・成長障害である。
食事摂取基準の指標の意味
食事摂取基準の指標(推定平均必要量・推奨量・目安量・耐容上限量・目標量)の意味と、エネルギーの過不足の評価が問われる論点である。
要点
- 推奨量(RDA)は、ほとんどの人(97〜98%)が必要量を満たすと推定される摂取量である。
- 推定平均必要量(EAR)は、ある集団に属する人々の50%が必要量を満たすと推定される摂取量である。
- 目安量(AI)は、推定平均必要量が算定できない栄養素について、一定の栄養状態を維持するのに十分な量として設定される。
- 耐容上限量(UL)は、健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限を示す指標である。
- 目標量(DG)は生活習慣病の発症予防を目的に当面目標とすべき摂取量を示し、食塩相当量や食物繊維などに設定される。
- 成人・高齢者のエネルギーの過不足は、体重kg÷身長m÷身長mで求めるBMIを用いて評価する。
ひっかけ
- 過剰摂取の上限を示す指標は目安量ではなく耐容上限量であり、目安量は十分な量の目安を示す。
- 生活習慣病の発症予防を目的とするのは目安量ではなく目標量であり、両者の目的を取り違えない。
- 目標量は生活習慣病の予防が目的であり、欠乏症を防ぐための最小限の量を示す指標ではない。
- 食事摂取基準は健康な人の不足や過剰を防ぐための指標であり、すでに生じた欠乏症の治療を目的としたものではない。
食事摂取基準2025年版の改定点
2025年版の改定点(食塩相当量、エネルギー産生栄養素バランス、食物繊維、骨粗鬆症、アルコール、身体活動レベルの表記)が問われる論点である。
要点
- 成人の食塩相当量の目標量は男性7.5g/日未満・女性6.5g/日未満で、2025年版でも2020年版から変更はない。
- 高血圧・慢性腎臓病(CKD)の重症化予防のための食塩相当量としては、男女とも6.0g/日未満が示されている。
- 成人のエネルギー産生栄養素バランスの目標量は、たんぱく質13〜20%、脂質20〜30%、炭水化物50〜65%エネルギーである。
- 65歳以上のたんぱく質の目標量は、下限が15%エネルギー以上とされている。
- 成人の脂質の目標量は20〜30%エネルギーで、そのうち飽和脂肪酸は7%エネルギー以下とされる。
- 2025年版における18〜64歳のたんぱく質推奨量は、男性65g/日、女性50g/日である。
- 食物繊維の目標量は、食品成分表の測定法変更等に伴って見直され、年齢区分ごとに細分化されておおむね引き上げられた。
- 2025年版では、従来の生活習慣病に加えて骨粗鬆症が新たに取り上げられ、栄養素との関連が整理された。
ひっかけ
- アルコールは水・電解質やビタミンの章ではなく、エネルギー産生栄養素バランスの章でエネルギー源として扱われる。
- 身体活動レベルは廃止や5段階化ではなく、ローマ数字から「低い」「ふつう」「高い」の表記に改められただけである。
- たんぱく質の目標量は30〜40%エネルギーではなく13〜20%であり、脂質や炭水化物より低い割合で設定されている。
- 食物繊維の目標量は引き下げも撤廃もされておらず、水溶性だけに限った目標量でもなく、総量として示される。
ライフステージ別の栄養
高齢期のフレイルと低栄養、妊娠期・乳児期・幼児期の栄養の特徴と、離乳・減塩・水分補給の注意点が問われる論点である。
要点
- フレイルは加齢に伴い心身の活力が低下した虚弱状態で、低栄養や筋肉量減少(サルコペニア)が関連する。
- 2025年版でも、高齢者ではフレイル予防の観点からたんぱく質摂取の重要性が引き続き強調されている。
- 高齢者は体内水分量の減少や口渇感の低下により脱水を起こしやすく、こまめな水分補給が必要である。
- 高齢期は基礎代謝量と身体活動量がともに低下するため、必要な総エネルギー量は青年期・壮年期より少なくなる。
- 離乳は生後5〜6か月ごろを目安に開始し、月齢に応じて食品の種類・量・形態を段階的に進める。
- 満1歳未満の乳児にはちみつを与えると、ボツリヌス菌の芽胞を排除できず乳児ボツリヌス症を起こす危険がある。
- 妊娠初期は葉酸の十分な摂取が神経管閉鎖障害の予防に重要で、妊娠中は鉄の需要が高まって不足しやすい。
- 幼児期の間食は、1回の食事量が少ない幼児に不足しがちな栄養を補う「4回目の食事」として位置づけられる。
ひっかけ
- 味覚が鈍くなる高齢者に濃い味付けを重ねると食塩の過剰摂取につながるため、だしのうま味や香辛料などで減塩を工夫する。
- 離乳食は大人と同じ味付けにせず、腎機能が未熟な乳幼児のために薄味を基本とする。
- ビタミンAは妊娠初期の過剰摂取で胎児奇形のリスクが指摘されており、大量に摂るほどよいわけではない。
- 母乳はビタミンKが不足しがちで新生児のビタミンK欠乏に注意が必要であり、乳児は体重当たりのエネルギー必要量が成人より大きい。
生活習慣病の食事療法
糖尿病・高血圧・脂質異常症・慢性腎臓病の食事療法の基本と、メタボリックシンドロームの定義が問われる論点である。
要点
- 糖尿病の食事療法は、適正なエネルギー量の設定と栄養バランスのとれた食事が基本である。
- 糖尿病では食物繊維を多く含む食品が食後血糖の急上昇を抑え、欠食や早食いを避けて規則正しく食べることが望ましい。
- 高血圧の予防には食塩(ナトリウム)の摂取を控えることが基本で、カリウムを含む野菜・果物はむしろ勧められる。
- 高血圧症の大部分は原因が特定できない本態性高血圧症で、他の疾患が原因となるものは二次性高血圧症という。
- 脂質異常症では飽和脂肪酸やコレステロールの過剰摂取を控え、食物繊維や青魚のn-3系脂肪酸(EPA・DHA)を適度にとる。
- 慢性腎臓病が進行した段階では、病期に応じてたんぱく質・食塩・カリウム・リンなどの制限が必要となることが多い。
- メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満に高血圧・高血糖・脂質異常のうち複数が重なった状態で、動脈硬化性疾患のリスクが高まる。
- 脂質異常症の発症には、過食・運動不足による肥満、過度の飲酒、喫煙などが関係する。
ひっかけ
- 糖尿病では糖質を完全に除去する必要はなく、必要な量を他の栄養素とのバランスの中で適切に配分することが基本である。
- 砂糖は脂質ではなくても、糖質の摂りすぎは肝臓での中性脂肪の合成を高め、脂質異常症を悪化させる。
- 高血圧の予防・改善にたんぱく質の極端な制限は有効ではなく、筋肉量の減少を招く。有効なのは減塩・適正体重の維持・節酒・運動である。
- 慢性腎臓病でたんぱく質を制限する場合も、エネルギーは低く抑えず十分に確保する。抑えすぎると腎臓の負担がかえって増す。
ほかの科目
この論点の問題は、アプリで解けます
「チョーリトール」は、調理師試験の6科目を論点ごとに学べる対策アプリです。論点テキストはアプリの中でも無料で読めて、各論点の問題へそのまま進めます。
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出典と作り方
この読み物は、アプリ「チョーリトール」の収録問題の解説をもとに、アプリ製薬が論点ごとに整理して作成したものです。公式の文章の転載ではありません。 問題文・選択肢は載せていません。収録問題は過去問ではなく、法令等の一次資料をもとに作成したオリジナル問題です。